お知らせ

日本—スイス国際共同刊行に合意!

2014.01.28編集委員会から/Editorial news

オープンアクセス材料科学ジャーナル Science and Technology of Advanced Materials

2014年1月、(独)物質・材料研究機構(NIMS, 筑波)とSwiss Federal Laboratories for Materials Science and Technology (Empa, スイス)は、NIMSが責任編集を行い、英国物理学会出版局(Institute of Physics Publishing, IOP)と共同で刊行しているオープンアクセス材料科学ジャーナルScience and Technology of Advanced Materials (STAM, ISSN 1468-6996)の、今後5年間の国際共同刊行に合意しました。NIMSおよびEmpaは、共に半世紀以上の歴史を持ち、両国においてそれぞれ材料科学研究を主導する公的研究機関です。

STAM誌の経緯

STAM誌は、“もの作り”の基礎になっている国際的にも評価の高い日本の材料科学研究の成果を、日本独自のジャーナルで発信すべく2000年に創刊され、2005年からNIMSが責任編集を行うようになりました。2008年以降、STAM誌が購読誌からオープンアクセス誌となったことは、日本国内もさることながら、世界的にも材料科学分野での初めての取り組みでした。STAM誌に対する査読、編集、資金の全ての面に於けるNIMSの戦略的、かつ継続的な取り組みにより、ジャーナルの評価指数:インパクトファクター(IF)は2008年の1.267から継続的に上昇し、2012年には3.752と高い値を達成しています。STAM誌の今後の発展のためには、ジャーナル刊行基盤のさらなる強化、そして材料科学コミュニティとの国際的な連携が必須との認識に立ち、材料科学研究における専門機関であるEmpaが国際共同刊行のパートナーとして参画することになりました。

国際共同刊行の運営と狙い

Bona教授

この国際共同刊行の2014年からのスタートに伴い、Empa所長であるGian Luca Bona教授がSTAMのヨーロッパ地域編集委員に、またEmpa役員会議長のHarald Krug教授が編集副委員長に就任します。これを機に、ヨーロッパに於けるハブとして、STAMヨーロッパ編集室をスイス、ドュベンドルフに立ち上げます。このグローバルな視点に立った編集強化および安定的なオープンアクセス誌経営への戦略展開は、日本初の取り組みとなります。STAM誌の国際共同刊行の開始にあたり、Bona教授は「欧米での卓越した研究成果をSTAMに引きつけ、材料科学分野において世界を牽引するジャーナルの一つになることが我々の意図である。 加えて、医療分野に応用可能な新しい材料など、ジャーナルの対象分野を新たな領域にも拡げ、STAM誌の可視性と魅力をさらに高めることに寄与したいと考えている。」と述べ、

潮田理事長

これに答えて、潮田理事長は 「国土強靭化や環境エネルギー問題など、材料科学分野への日本社会からの期待に応えつつ、同時に、Empaによる新しい分野の開拓を通して欧米からの期待にも応えることによって、世界において信頼され、発信力のあるジャーナルに向けて大きな一歩を踏み出したことになる。また、材料科学分野におけるジャーナルのオープンアクセス化を支援する体制として、Empaの参画は大きな推進力になると確信しているとEmpa参画を歓迎しています。

NIMS-Empa合意は、STAM誌発展のための情報資源、機会を増大させ、欧米におけるSTAM誌の認知度を上げ、より広い範囲の論文投稿者、併せて論文の査読者、そして読者の開拓に役立つものと考えています。

本ジャーナルに関する今後の情報はジャーナルホームページ、および国内向け本サイトで随時に発信しています。

【参考】

— 国際共同刊行の目的

  • 高い科学的規範を満たす高品質材料科学情報の提供
  • ヨーロッパにSTAM編集室を開設することにより、欧州へのハブ拠点を通じたヨーロッパに於けるSTAM誌の認知度の増大
  • 材料科学分野において日本・スイスを代表する研究機関NIMS・ Empaが中心となって、世界の同分野コミュニティと連携し、研究成果の共有・イノベーションへの活用を支援

独立行政法人物質・材料研究機構について

NIMSは、物質や材料の科学的、技術的研究を総合的・専門的に行う、我が国において最も大きい独立行政法人の国際的な研究機関です。NIMSは、物質・材料の開発のために、新材料の発見、新機能の開発、そしてそれらを達成するための物質設計、合成、評価、物性測定などのイノベーティブな研究手法の確率を目指しています。NIMSは、伝統的に金属、セラミックス、超伝導体、広バンド幅半導体などの研究に強い基盤を持ち、さらに有機、生体材料の分野の研究を強化しています。

Swiss Federal Laboratories for Materials Science and Technology (Empa, Switzerland)について

Empaは、新しいアイデアを実現させ、応用指向研究とリンクさせることで、産業界の要請と社会の求めるものとを合致させる最先端材料、技術の分野横断的研究を行っています。Empaは、パートナーの革新性、競争力を高めるために、パートナーに特化したサービス、ソリューションを提供し、結果として、社会の生活の質の向上に寄与し、同時に、効率的な技術移転により、研究成果を市場価値のあるイノベーションへと転化させています。

外部リンク

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