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アジア磁気学協同体によるグローバルプラットフォームの立ち上げ

2010.12.22注目イベント/Events

アジア磁気学会連合が第1回国際会議を韓国、済州島で開催

第1回アジア磁気学会連合国際会議(ICAUMS)が2010年12月5-8日,済州島ロッテホテルで開催された.アジア磁気学会連合(AUMS)の初代会長 高橋 研 氏はこの会議の開催を「アジア磁気学協同体の歴史的出来事であり,アジアにおける新しい磁性研究の情報交換プラットフォームとなる.」と述べた.AUMSはアジア太平洋地域の磁性研究推進を目的とし,2009年1月に設立された.

AUMS設立の歴史は2007年の磁性に関する第4回アジアフォーラムの参加者の間でアジア太平洋地域の磁気学会を設立しようという機運が盛り上がったことに遡る.この初期の提案は2008年秋,日本磁気学会(MSJ),韓国磁気学会(KMS),台湾磁性技術協会(TAMT),中国磁性材料及応用学会(CSSMA)を枠組構成員とするAUMSとして結実した.AUMSの第1回評議会は2009年3月仙台で開催され,国際会議の立ち上げを決定した.

アジア磁気学協同体は世界的にも高いプレゼンスを示す.例えば,高橋会長は,「最近ワシントンで開催されたIntermag 2010のような米国における主要な磁性国際会議の50%以上の参加者をアジア太平洋地域が占めている.」とし,さらに「そのような会議におけるアジア太平洋地域研究者の巨大なプレゼンスにもかかわらず,我々はこれらの会議の運営にはあまり発言していない.」と付け加え,「AUMSはそのような問題に対処し,アジアの磁性研究が米国,欧州と肩を並べることができるようにする.」と述べている.会議事務局長のCheolGi Kim氏は「ICAUMS-2010は大きな成功を収めた.登録者は約550人に達し,その中には多くのアジア太平洋地域の若い研究者が含まれていた.サムスン電子および韓国主要製鉄会社であるPOSCOの支援をうけた.」と述べている.

韓国磁気学会(会長:Sung-chul Shin教授)が現地組織委員会を主導し,アジア太平洋地域に基盤を置く若手研究者間のネットワーク構築を促進するセッションも設けられた.Kim事務局長は「今日,この地域の若手研究者が出会って,連携を構築する機会はあまり多くない,このネットワーク構築を促進するセッションはこの国際会議の重要な部分となるであろう.」と述べている.所属会員数を見ると,MSJが最大で約2000人,KMSが約1000人,TAMTが約500人である.中国磁性材料及応用学会の概数はあるものの,あまり中央に集まっていず,メンバーは北京と上海に分散していることが知られている.高橋会長は「AUMSが米国の主要磁性会議に参加するアジアからの参加者数に影響を及ぼすことを期待してはいない,むしろ米国,欧州からの研究者が我々の会議に参加するためにアジアに来ることを望む.」と説明している.次回のICAUMSは2012年10月2-5日奈良で開催される.


(参考)  

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