物質材料研究アウトルック
発行者:物質・材料研究機構
発行日:2006年版 2006年11月20日 問い合わせ: 企画調査室
第3部 物質・材料研究における今後の研究動向

第1章 物質・材料研究開発のためのナノテクノロジー
  2.量子ビーム基盤技術
    (4)原子ビーム
山内泰(量子ビームセンター, NIMS)
1 .はじめに

 寿命の長い励起状態にある準安定原子(He、Ne、 Ar 等)は、熱エネルギーレベルの低速で表面に照 射されると、表面層に侵入せず、外側で反射される際に励起状態から基底状態へ緩和し、10 〜 20 eV の励起エネルギーを放出する。このエネルギーは原子間結合の切断や表面電子の放出に充分な値である。 表面原子間の結合切断は、原子ビームリソグラフィーおよび準安定原子刺激脱離法に利用され、電 子の放出は準安定脱励起分光法(ペニング電子分光 法)に用いられている。また、準安定原子をスピン 偏極させることによって電子スピンの情報を得ることができる。



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