物質材料研究アウトルック
発行者:物質・材料研究機構
発行日:2005年版 2005年11月1日 問い合わせ: 企画調査室
第4部 物質・材料研究の今後の展望

第17章 国際標準
     1.標準物質
田沼 繁夫 (分析ステーション 分析基盤グループ, NIMS)
1) はじめに

 公正かつ円滑な貿易を実現するためには材料・物質の計測値・分析値の国際的な同等性およびその信頼性を定量的に評価することが求められる。また、個々人の生活レベルにおいても、環境、食料、健康等の分野における分析値の同等性や信頼性はたいへん重要である。これを実現するためには分析値のトレーサビリティーの確保が必要不可欠である。トレーサビリティーとは「求源性」、「遡及性」などと呼ばれるが、「もとをたどることができること」である。すなわち測定結果がある不確かさを伴って国家標準あるいは国際標準にまで遡り、関連付けられることをいう。1) すなわち、試験を行ったところの標準器または標準物質の値がどの程度の精度・正確さで国際計量標準とつながり、メートル条約における国際的定義に基づく国際単位系(SI単位系)に遡及できるかを意味する。



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