物質材料研究アウトルック
発行者:物質・材料研究機構
発行日:2005年版 2005年11月1日 問い合わせ: 企画調査室
第4部 物質・材料研究の今後の展望

第13章 強磁場発生技術とその応用
     2.人体用強磁場MRIの開発状況とその効果
木吉 司 (強磁場研究センター 磁場発生技術グループ, NIMS)
1) はじめに

 磁気共鳴画像診断装置MRI(Magnetic Resonance Imaging)はNMR現象を使用しているが、対象を細かな体積要素に分割し、信号がどの要素から得られたかを同時に解析できる手法を組み込むことで、任意のスライス面での画像化を行っている。2003年ノーベル生理学・医学賞は「核磁気共鳴画像法の発見」でP. LauterburとP. Mansfieldに与えられている。

 MRIは放射線による被曝が無い、骨や空気による影響を受けないため脳の内部や脊髄等を鮮明に診断できる等の利点があり、国内では5,000台以上が病院等で稼働している。現在は1.5テスラを発生するドーナツ形状の超伝導磁石を用いる機種と、オープンMRIと呼ばれる、診断中に閉塞感を感じないように配慮され、価格も安い永久磁石を用いた0.3テスラ程度の機種に分化する傾向となっている。



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